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賃上げはどこまで行うか

賃上げはどこまで行うか

賃上げをするかしないか、必要なのか

毎年春闘のころになると賃上げの話題を耳にすることが増えますが、今年はコロナ縮小、物価高もあり2023年1月に経団連が「賃上げは企業の責務」というメッセージを出し「物価高に負けない賃上げを目指す」という方針を掲げました。

どこまで賃上げに取り組むかは各企業によってまちまちですが、人件費負担を考えるのであれば賃上げの検討前に自社の人件費が適正な水準にあるのかを「労働分配率」で確認してみてはどうでしょうか。

労働分配率の計算方法や適正な数値

業種業態によって異なっています。

  1. 労働分配率=人件費÷付加価値
  2. 付加価値の算出
  • 控除方式:主に製造業で使用

付加価値=売上高-外部購入価値(製品仕入高、直接材料費、外注加工費等)

  • 加算方式:主に非製造業で使用

付加価値=経常利益+人件費+金融費用+賃借料+租税公課+減価償却費

平均的な労働分配率や付加価値は、経済産業省「企業活動基本調査」の業種別データを参考にしてください。

自社の3~5年程度の労働分配率を計算し適正と思われる利益の年度を基準にするとよいでしょう。

賃上げの2つの種類

  1. 定期昇給

    企業の決める賃金テーブルに基づき賃金が従業員の年齢や勤続年数で自動的に昇給する。昨今は成果が反映されないので各企業で見直しされています

  2. ベースアップ

    賃金テーブルそのものを書き換えて全従業員の給与水準を一斉に引き上げることを言います。

賞与・退職金に跳ね返らない方法

昇給を賞与や退職金に連動しないようにするには賞与は基本給非連動型で業績連動型として業績指標を反映。

退職金については定額制、別メニュー方式、他に成果を反映にさせるにはポイント制になるでしょう。

また、社会保険料も賃上げで上がるので考慮しておかなくてはなりません。

賃上げした時は以後の人件費は増大するので足元の業績が良かった時でも利益分配は昇給でなく賞与で報いるということもあります。

賃上げ前にメリット・デメリット、業績などに見合った適切な方法を選択しましょう。

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