熱中症対策は労働災害の予防
まだまだ油断のならない暑さが続きます。
猛暑の中での作業は、屋外ではもちろん、屋内で行う場合でも、心身に大きな影響を与え、疾病や事故等の労働災害につながる危険があります。
職場において熱中症を正しく理解し、職場全体で熱中症に対する高い予防意識を持つことが、職場での熱中症発症や重症化を未然に防ぐためには欠かせません。
職場における熱中症対策は、労働安全衛生管理と労働衛生教育に大別できます。
熱中症対策としての労働安全衛生管理
職場における熱中症対策として、労働安全衛生管理を講じる場合には、次の3つの視点から考える必要があります。
- 作業環境管理
作業をする環境の中で、熱中症の原因となりそうなものを、できる限り除去することが必要です。熱中症では、高温多湿、炎天下での作業が原因となるので、体温を下げるための備品や水分補給の準備、涼しい休憩場所の確保などが作業環境管理にあたります。
- 作業管理
作業そのものの中に、熱中症の原因となりそうなものがある場合には、これを除去する必要があります。具体的には、厳しい作業環境で長い時間作業を行えば熱中症のリスクは高まりますので、涼しい場所で小まめに休憩時間を確保することなどが必要になるでしょう。
- 健康管理
睡眠不足や朝食抜き(偏った食生活)などは、免疫力を弱める原因になります。健康診断結果や日頃のコミュニケーション等を通じて労働者の健康状態を把握し、異常を感じたら無理をさせないことが肝要です。
熱中症対策としての労働衛生教育
会社が熱中症対策として、労働安全衛生管理を整えても、労働者個人に自覚がなければ効果が半減してしまいます。
職場で熱中症を起こさないために、そこで働く1人1人の熱中症に対する知識や意識の向上が必要になります。
そのためには、日頃からの労働衛生教育も重要です。
熱中症対策としては、熱中症発生のメカニズムや症状、熱中症の症状が見られた時の緊急時の対応などの教育指導を行うことが大切です。