顧客からの不当な要求等
最近問題視されていることの一つにカスタマーハラスメント(以下カスハラ)があります。
カスハラとは顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、誹謗中傷、不当な要求等著しい迷惑行為を言います。
令和2年1月に厚労省よりカスハラに関し雇用管理上、事業主は従業員の相談に応じ、適切に対応するための体制作りや被害者への配慮を行うなどの指針が出されました。
さらに令和4年2月には「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を策定しカスハラの対策に取り組む企業への対策を示しました。
対策は何から始めるか
厚労省で示しているカスハラ対策の基本的な枠組みは以下の通りです。
〈事前準備〉
- 事業主の基本方針・基本姿勢の明確化、従業員への周知・啓発
- 従業員(被害者)のための相談対応体制の整備
- 対応方法、手順の策定
- 社内対応ルールの従業員への教育・研修
〈起こったときの対応〉
- 事実関係の正確な確認と事案への対応
- 従業員への配慮の措置
- 再発防止のための取り組み
- その他の対応
自社でどのような事例が起こりうるか、現場を含めて検討し、社内でしっかり準備をしておきましょう。
これってカスハラ?
顧客等の行為で従業員が「カスハラかな?」と感じた時に判断基準があいまいだと対応に遅れが出てしまい、問題を大きくしてしまう場合もあります。
各企業であらかじめ判断基準を明確にしたうえで、企業内の考え方、対応を統一しておくことが大事です。
その際は
- 顧客等の要求内容が妥当であるか
- 要求を実現するための手段・態様が社会通念上に照らし合わせて妥当な範囲か
という観点をもっての判断が必要です。