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契約締結と職場規律 就業規則の作用

契約締結と職場規律 就業規則の作用

経営上有効なツールに

就業規則はなぜ必要なのでしょうか?

労働基準法で「10人以上の事業場には作成義務があるから」(労働基準法第89条)というのはその通りなのですがそれだけではありません。

就業規則は正しく使うことにより会社の経営上有効なツールになります。

集団的な契約締結効果としての就業規則

労働契約は、会社と労働者が、一定の労働条件について合意することによって成立します(労働契約法第6条)。

労働契約が成立すると、労働者は「会社の指揮命令に服した労働を提供する義務」を負い、会社は「その提供された労働に対して賃金を支払う義務」を負います。

この場合の会社の指揮命令の中には「どこで、何時から何時まで」というようなことが含まれます。

多くの会社にとってこれらの労働条件は、画一的に決められているものなので、労働者1人1人と契約を締結することなく、自社における労働者と同一の労働条件について、集団的に契約を締結したものとすることができる効力があります(労働契約法第7条)。

職場規律効果としての就業規則

会社経営上、より重要なのはこちらの効果でしょう。

会社という組織には当然いろいろな人が所属しています。

これらの人が自分勝手にバラバラの考えで動いていたら組織は成り立ちません。

そこで組織には集団を規律する(職場規律を守る)ためのルールが必要になります。

この職場のルールブックと言えるのが就業規則のもう1つの効果です。

例えば「遅刻をしたら給料から一定額を控除する(=遅刻をしてはいけません)」というようなことは法律のどこにも書いていません。

就業規則又は個別の労働契約書にこれらの記載がなく、遅刻についての控除を行ったらどうなるか。

労働者から「どこにそんなこと書いているのですか」と問われた時に抗弁ができません。

きちんと就業規則に書いてあれば「就業規則の第○条に書いてあります。入社時に説明しましたよね」と言うことができます。

遅刻は一例ですが、労働者が職場規律を乱す行為をした場合の懲戒処分や、さらに解雇処分を行うためには、就業規則に「どのような行為をした場合には懲戒処分又は解雇処分とする」という記載が必要とされています。

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