税金基礎知識ブログ

令和4年度・税制改正大綱『法人課税編』

令和4年度・税制改正大綱『法人課税編』

令和4年度税制改正(法人税・事業税)

安倍・菅政権では「成長」分野の税制支援に力を入れていましたが、今回の税制改正は「分配」を重視したものとなっています。

(改正1)賃上げ(促進)税制の見直し

この制度は、平成25年に導入以来、見直しを重ね継続されていましたが、その実効性に疑問が上がっていました。

今回の改正は、これまでの中でも最大規模のもの。前年度比1,000億円台後半の減税となります。

(適用対象)青色申告書を提出する法人
(適用期間)令和4年4月1日~令和6年3月31日に開始する事業年度

1.大企業向け(全企業対象)
旧制度では「新規雇用者の給与総額が増加した場合」が優遇対象でしたが、新制度では「継続雇用者の給与総額が増加した場合」が対象となり、その増加額の最大30%の税額控除が適用できます。

継続雇用者の給与総額3%以上増加 継続雇用者の給与総額4%以上増加 教育訓練費が20%以上増加
15%控除 25%控除 控除率+5%

一方、大法人(資本金10億円以上など)の賃上げ率が低い場合には、研究開発税制などの税額控除の適用が制限されます。

2.中小企業向け(資本金1億円以下)
中小企業の場合には、雇用者全体の増加率に応じ、最大40%の税額控除が適用できます。

雇用者全体の給与総額が1.5%以上増 雇用者全体の給与総額が2.5%以上増 教育訓練費が10%以上増加
15%控除 30%控除 控除率+10%

(改正2)オープンイノベーション促進税制の拡充

出資の対象会社に、設立10年以上・15年未満の売上高に占める研究開発費の割合が 10%以上の赤字会社が追加されました(保有期間も「3年以上」に短縮)。

(改正3)5G導入促進税制の見直し

地方でのネットワーク整備を加速する観点から、3年間の集中投資を促す形となりました。

対象設備の要件の見直しや税額控除率の段階的な引き下げが実施されます。

(改正4)大法人に対する法人事業税所得割の軽減税率の見直し

外形標準課税対象法人(資本金1億円超)の年800万円以下の所得に係る軽減税率を廃止し、標準税率を1.0%とします。

注目記事 最新記事
  1. 勤労学生控除とは何か?学生であれば全員適用できるわけではない!?
  2. 交際費と社内飲食費
  3. 在庫が決算に与える影響とは?粉飾決算は在庫がポイント!
  4. 2割特例の適用に「不適用届出書」提出が必要な場合がある
  5. 大企業向け賃上げ促進税制のマルチステークホルダー経営宣言とは
  1. 年の中途に退職した人の年末調整
  2. 保険料控除証明書の到着は必要な保険か否かを見直す好機です
  3. 採用と健康状態の調査
  4. 見落としがちな「逆パワハラ」
  5. 不法就労助長とリスク

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP