税金基礎知識ブログ

お金の落とし物を拾った場合に税金はかかる?

お金の落とし物を拾った場合に税金はかかる?

「お金を100万円拾った場合、税金がかかるって本当?」
「税金を支払いたくないから黙っていたいけど問題ない?」
「実際どのくらい税金がかかるの?」

今までに一度や二度、このような疑問を思ったことはありませんか。

結論から言いますと、お金を拾った場合は一時所得として所得税の課税対象となります。

しかし、必ず納税の義務が発生する訳ではありません。

拾った金額によっては税金が発生しないケースもあります。

今回は、お金の落とし物を拾った場合に税金がどのくらいかかるのかを紹介します。

落とし物は所得になる?

実は、落とし物でお金を拾った場合「一時所得」に該当します。

つまり、所得税の課税対象となるため、税金を支払う必要があります。

【ポイント!】

拾ったお金は一時所得として課税対象

なお、落とし物を警察に届けて、持ち主が見つかった時に支払われる慰労金ですが、こちらも一時所得の対象として課税されます。

【ポイント!】

持ち主からの慰労金は一時所得として課税対象

ただし、一時所得となった場合は

総収入額(落とし物の金額)-特別控除(最大50万円)×1/2=課税所得
※更に一時所得に対して、その所得の1/2に相当する金額を、その他の所得(給与所得など)と合算して総所得を求めた後に、正式な税金額が確定します。

以上の計算によって所得税が課税されることになるため、50万円以下のお金の落とし物に関しては税金を支払う必要はありません。

ここで注意したいのが、納税する必要は無いものの、一時所得があったことは確定申告しなければならないという点です。

税金はかかりませんが、所得があったことを確定申告しなければ脱税として扱われてしまいます。

また、50万円以上のお金を拾った場合の所得税は源泉徴収されないため、年末調整での納税処理が出来ません。

こちらのケースでは確定申告した上で納税する必要があるので注意しておきましょう。

一時所得の計算方法

では具体的にいくら位税金がかかるのかを計算してみましょう。

例えば、100万円を拾った場合の税金は以下のようになります。

100万円-特別控除50万円×1/2=25万円

このケースでは25万円が課税所得になり、25万円に対して税金がかかります。

25万円×税率15.105%(所得税5%、住民税10%、復興特別所得税0.105%)=3.7万円
※その他の収入が無いと仮定して計算

つまり、100万円の取得物に対して37,000円の税金がかかるという計算になります。

落とし物を拾ったことを黙っていたら税金はかからない?

お金の落とし物を申告したら税金がかかるのなら、お金を拾ったこと自体を黙っていたら納税の必要が無くなるのでは?と考える人もいるかもしれません。

結論から言いますと、「遺失物法」や「刑法」という法律により拾ったことを申告しなかった場合は「遺失物横領罪」として刑罰を受ける可能性があります。

もちろん申告する必要がある物を申告しなかった場合も「脱税」として刑罰の対象となります。

落とし物を拾った場合はネコババせず正直に申告するようにしましょう。

落とし物が所得になるタイミング

落とし物を拾った場合、どのタイミングで所得としてみなされるのでしょうか?

実は落とし物を拾ったタイミングでは、まだ自分のものにはなっていませんので所得として計上されません。

所得としてみなされるのは所有権が自分に移ったタイミングになります。

  • 遺失物を公告したあとから3ヵ月以内

以上の期間は、落とし主が所有権を主張できる期間になります。

つまり、公告から3ヵ月を超えた場合、拾った人が新たな所有者となり、所得として計上されます。

落とし物を拾ったのが2021年9月1日、所有権が移ったのが2021年12月1日だった場合は、2022年の確定申告が必要になります。

落とし物を拾ったのが2021年12月1日、所有権が移った2022年3月1日だった場合は、2023年の確定申告が必要になります。

あくまでも所有権が移ったタイミングに所得が計上されるということを覚えておきましょう。

まとめ

  • 落とし物や慰労金は一時所得として課税の対象となる
  • ネコババした場合は「遺失物横領罪」「脱税」に該当する可能性があるため絶対にやめる
  • 一時所得として課税されるのは、所有権が移ったタイミング

今回はお金の落とし物を拾った時の所得税について紹介しました。

人生で大金を拾うことはあまり多くないかもしれませんが、いつかお金を拾うことがあれば納税の必要性があるのかを考えるようにしましょう。

納税の必要性が無くても、確定申告する必要はあるため、忘れずに確定申告するようにしましょう。

また、間違ってもネコババしたりいくらか抜いて警察に届けたりするようなことはないようにしましょう。

「遺失物横領罪」で捕まったり、「脱税」を指摘される方がよっぽど高くつく可能性があります。

一時所得は所得が大きくなるに連れ税率も高くなるように設定されていますが、取得した金額よりも多く税金を支払うということはありません。

落とし物を拾ったらまずは正直に届出し、確定申告まで確実に行うようにしましょう。

税金やお金の相談はプロである税理士へ

注目記事 最新記事
  1. 事業再構築補助金交付決定者必見! 産業雇用安定助成金
  2. 決算で現金が合わない場合はどのように処理をする?
  3. 配偶者控除と配偶者特別控除について徹底解説!
  4. お金を友人に貸すと税金がかかるって本当?
  5. 決算書に間違いがあった!修正することは出来るの?
  1. 年の中途に退職した人の年末調整
  2. 保険料控除証明書の到着は必要な保険か否かを見直す好機です
  3. 採用と健康状態の調査
  4. 見落としがちな「逆パワハラ」
  5. 不法就労助長とリスク

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP