税務知識記事一覧

生命保険金の相続税申告

生命保険金の相続税申告

生命保険金は、相続に際して節税商品や納税資金として利用されますが、うっかりして相続税の申告が必要なことに気付かないまま、税務調査で申告漏れを指摘される事例が今年に入って増えています。

多くは納税者の誤解や失念、税理士への事前説明が漏れたことによるものですが、税務署に隠蔽仮装と指摘されて思わぬ税負担を求められることがあるので注意が必要です。

生命保険金は相続財産ではない

生命保険金は相続によって被相続人から承継されるものではなく、保険金受取人の固有の財産であるため、遺産分割の対象とはなりません。

また、被相続人が生前、相続人に贈与した生計の資本、養子縁組や婚姻のための贈与(特別受益)にも該当しないため、生命保険金は相続税の申告対象にはならないと思うかもしれません。

相続税では相続財産とみなして課税される

しかし、相続税では被相続人が保険料を負担した生命保険金も申告対象となります。

民法上の相続財産ではありませんが、経済実質的には、被相続人の死亡によって財産を取得するので、相続財産又は遺贈財産とみなして相続税が課税されます。

その際、法定相続人1人当たり500万円の非課税措置があるので、限度額を超える部分のみの課税で済みますが、申告が必要なことに変わりはありません。

なお、生命保険金は特定の相続人だけが取得するので遺産分割で考慮すべきか気になるところですが、判例には保険金の額、遺産総額に対する比率、同居の有無、被相続人に対する介護の度合い、各相続人の生活実態などの諸事情を総合考慮して相続人の間で不公平が是認できないほどに著しい特段の事情がある場合は、特別受益に準じて持戻しの対象と解するのが相当であると判示したものがあります。

申告漏れとならないように

税務調査で生命保険金の申告漏れが判明した場合、不足税額に加え、延滞税(納付遅延期間の利子に相当)や過少申告加算税(10%又は15%)が課されます。

また申告漏れが隠蔽仮装であると認定された場合は、過少申告加算税に代えて重加算税(35%又は45%)が課され、税負担がさらに重くなります。

相続人に生命保険金を受け取る人がいるときは、必ず契約内容を見て課税上の取扱いの確認を受け、申告漏れとならないようにしましょう。

インボイス制度関連記事

  1. 小規模事業者持続化補助金の枠の種類が増加しました
  2. コンビニの適格請求書登録番号は店舗ごとに違う可能性大
  3. 免税事業者が課税事業者となる訳
  4. 消費税インボイス制度いよいよ始動
  5. 遡及適用OK 新設法人等のインボイス
注目記事 最新記事
  1. 定額減税が開始されます
  2. 外国税額控除の控除限度額と繰越控除
  3. 個人の青色承認取消しと期限後申告
  4. お金を友人に貸すと税金がかかるって本当?
  5. 相続税法第58条の改正
  1. ダイレクト納付の新しい手続き「自動ダイレクト」4月開始
  2. 就業時間外の顧客対応
  3. 更正の請求と修正申告
  4. 懲戒解雇と退職金の関係
  5. 年次有給休暇と時間外労働がある場合の給与計算

税務知識ブログカテゴリー

PAGE TOP