給与計算は従業員の給与を計算する業務です。
給与に関しては役職や立場などに応じて変動しますし、雇用形態によって支給額は変わってきます。
その中で役員手当や勤務の状況、残業手当や交通費なども含まれており、そこから所得税や税金などを差し引いて、振込などを行うため正確な作業が求められる業務です。

支給される金額が間違っている場合、従業員の信用問題に大きく関わります。
そのため経理担当者などは失敗の許されない作業を行っているのです。

この記事では給与計算法、手順、給与計算のポイントなどを書かせていただきました。

給与計算の手順・計算方法

これから始めて従業員の給与計算などを行う人に向けて、どのような手順で計算を行うのか、計算方法などを書かせていただきます。

従業員の雇用時に必要な手続き

まず従業員に給与を支払うためには手順を踏む必要があります。

企業側から従業員に支払う固定給、労働条件を決め、双方納得の上で雇用契約を結びます。
その後、今後税金や社会保険などを徴収するために従業員となる人間から、保険証など必要書類を預かる必要があります。

毎月お支払する給与の中から特別徴収となる住民税や所得税などを正しく差し引くため、税務署、市区町村への届け出、社会保険加入の年金事務所と労働基準監督署などへ届け出が必要となります。

他にも資金台帳の労務管理書類を用意しなければなりません。
従業員が10名を超える企業であれば同時に就業規則の作成もしておく必要があります。

給与計算作業のスケジュール例

次は給与計算の一連の流れを以下の例に沿って書かせていただきます。

この企業は締め日が毎月15日になっており、給料日が25日の企業を例にしています。
それぞれの会社によって締め日、支払日は異なるのであくまで参考程度です。

15日まで(締日まで)~情報の整理:人事の異動や昇給、振込先の変更や扶養家族の管理など

15日~17日~情報の集計:歩合がある場合にはその算出、出勤管理など。

18日~20日~支給額の計算:控除額の算出や給与明細の作成など

21日~22日:振込作業

25日:給与のお支払

月末:個人個人の社会保険料を納付する

翌月の10日:源泉の所得税、特別徴収の納付

このような流れで締日から支払い日までに情報を整理し、限られた時間の中で正確性が求められます。
支払いが終わった後は各従業員の税金関係を納付し、また情報整理を行うといった流れになります。

給与の計算方法

次は実際に給与の計算方法を見てみましょう。

給与には2種類あります。
雇用した時に契約を交わした言わば、変動のない固定給と、残業や休日出勤の手当など毎月変動しがちな変動的な支給です。

固定給与に関しては昇給などがない限り、契約を交わしているのでそこまで難しくありません。
変動する残業手当などは、毎月集計した勤務状態をもとに算出します。

残業手当や休日手当などは以下のように計算します。

・時間外労働×1時間あたりの賃金×割増率
こちらが計算法になりますが、1時間あたりの賃金はどのようにして割り出すのでしょうか?
1時間あたりの賃金を割り出すためには、以下の計算方法になります。

・月給÷一か月あたりの平均労働時間
この月給に関しても役員手当、資格手当など特別な手当てがある従業員の場合には、含めなければいけないため注意しましょう。

判断が非常に面倒ではありますが、次のような直接労働と関係性が薄い手当に関しては、月給には含まれません。

・家族手当
・交通費
・家賃保証(住宅手当)
・別居手当
・教育手当
・インセンティブやボーナスなどの臨時手当

上記でお話しした1時間あたりの給与を割り出す計算式の「一か月あたりの平均労働時間」も割り出し方があります。

・365日-年間休日数×1日の労働時間数÷12か月
この計算式を用いることで、一か月あたりの平均労働時間を算出することが可能です。
割増率は、法律で定められた正規労働時間である1日8時間、週40時間を超えた労働時間は時間外労働として25%以上、60時間を超過する場合には35%以上になります。

また時間も22時~翌朝5時までの労働時間が25%、法廷休日(週1日)における労働時間が35%と定められているため、これをもとに計算します。

少し長くなってしまいましたが、紹介したような平均時間や平均給与をもとに、変動する給与(残業代や休日出勤手当)などを計算し、+定められた固定給を足して、最終的な総支給額を決定します。

※社会保険の計算※
総支給額の決定を行ってもこの金額を振り込んではいけません。
総支給額に基づいて次は、差し引く社会保険料を計算しなければいけません。

社会保険でも加入しているものによって異なりますが、大半は健康保険料、厚生年金保険、雇用保険が差し引きの対象になります。
健康保険料と厚生年金保険料に関しては、従業員と会社が半分ずつ国に支払うため、計算を以下のようにして算出します。

・標準報酬月額×保険料÷2
この計算式で出てくる標準報酬月額とは、被保険者が事業主から受ける毎月の給与報酬月額を区切り良く幅に分けたものです。
健康保険であれば50、厚生年金であれば31等級に賃金を分けたものです。

また、等級を分ける前の賃金には基本給だけでなく、残業手当、家族手当、役職手当など紹介した手当を全て含みます。
参考リンク:全国健康保険協会

次に雇用保険は、会社側と従業員で半分ずつ負担します。
給与に関係してくる従業員の負担金額は以下の計算式によって割り出されます。

・賃金×3/1000
この賃金には基本給はもちろん、各種手当全てを含んで計算します。
保険料率があり、これは事業内容と年度によって変動するため、厚生労働省のHPにて詳しく率が書かれています。

参考リンク:厚生労働省-雇用保険料率について

所得税と住民税の計算

所得税は毎月従業員の給与から会社側で差し引いて、従業員の代わりに納税しています。
1年間かけて徴収していますが、正確な金額は年末調整によって割り出されるので、あくまでも毎月徴収されている金額に関してはおおよその金額となっています。

・支給額-交通費-社会保険料の合計

所得税は支給額から保険料を差し引いた金額を、源泉徴収税額表を参考にして計算してください。

参考リンク:国税庁-ホーム

住民税も所得税と同じく、会社側が特別徴収として従業員の給与から差し引き、お住いの市区町村役場へ納税します。
これは毎年5月に会社側に納税書が1年分まとめて送られ、それを会社が支払った上で、毎月÷12か月した金額を従業員の給与から差し引きます。

差引支給額の計算は以下の計算法を使います。

・総支給額-控除額(控除額とは保険料の合計や住民税、生命保険料など)

給与明細書の書き方

給与明細書は給与の内訳を明確に記した証明書です。
これは会社で働く従業員に対し、会社がしっかり渡すことが法律で義務付けられているため、支払いが終わったら正確に内訳が分かるよう、作成しましょう。

マイナンバー制度による変更

平成28年の1月から日本はマイナンバー制度が始まりました。
これによって会社は従業員のマイナンバーを税務署、年金事務所など政府の機関に提出しなければならなくなっています。

給与を渡した従業員の源泉徴収票、健康保険や厚生年金保険被保険者資格取得届など、少し難しいですが必要書類にマイナンバーを記載し提出する必要があります。

この時に注意すべき点として、マイナンバー対応の給与計算ソフトは更新して、取得、保管、利用、提供や廃棄全てを理解した状態で、手続きを行う必要があります。

給与計算を効率化する方法

ここまで給与計算の方法をお話ししましたが難しいですよね。
そんな給与計算の効率を上げるためには、給与計算ソフトを利用する、または給与計算業務のアウトソーシングすることで効率化を図ることができます。

これらの方法を取ることで得られるメリットは非常に大きいです。

①事務作業がなくなることで、別作業に専念することができる
②経理担当者の負担軽減に繋がり、実質的なコスト軽減
③専門家ならではの正確かつスピーディーな処理を受けることができる

このようなことから実際に給与計算によって作業効率が悪い会社であれば恩恵は非常に大きい物となります。

給与計算ソフトのメリット・選び方・費用相場

給与計算は担当者がエクセルなどを使って全て手作業で行いことも不可能ではありません。
しかし給与計算専門に作られたソフトを使用するだけで、作業効率は想像以上のものとなります。

購入費用や継続的に使う場合には更新費用など、必要経費がかかってしまうものの、毎年税率や利率に変動が起こる分野であるため、このようなソフトを使用することで従業員の負担が減り、実際のコスト軽減に直結的に繋がります。

給与計算ソフトには主に2種類に分けられ、インストール型とクラウド型となります。

それぞれに特徴がありますので、会計ソフトの記事にて詳しく解説しておきます。
[clink url=”https://zeiri.pro/service/ac9/”]

アウトソーシングのメリット・選び方・費用相場

給与計算の業務はここまで読んでいただければわかるかと思いますが、非常に難しく繊細でミスの許されないことから想像以上に時間を必要とします。
社会保険労務士や税理士など、専門家に依頼することで給与計算の半分以上を業務カットすることができます。

一人当たりの計算方法を書かせていただいておりますが、会社の規模によっては従業員の人数が増え、増えれば増えるほど時間と労力がかかります。
それに加え臨時給与となるボーナスや歩合などがある場合には更に複雑化してきます。

専門家へ委託することで、従業員が本業に専念し、結果売上や利益幅が大きくなったりとメリットは非常に大きいと言えます。
依頼する際には3つのことをポイントに考えましょう。

①依頼する業務内容
②会社の規模(従業員の数)
③給与計算の進め方

税理士など専門家に依頼する場合には初期費用として金銭が発生します。
また従業員が増えたり減ったりと変動するためデータの入力なども必要となり、継続的に費用は必要です。

固定金額で行ってくれる税理士などもありますが、平均的な相場として初期費用として従業員1人あたり2000円程度、その後は毎月の月額として1000円~2000円程度で行ってくれます。

継続的な費用で悩ましいところではありますが、給与計算は想像以上に過酷な業務であり、神経を使います。
従業員が疲れだすと、会社の効率が悪くなり、結果的に作業が遅い、ミスが増えるなどと言った最悪の自体にもなりえます。

専門家へ依頼することで正確な給与計算、それによる従業員の安心も図ることができ、売り上げに直結するような作業を行わせることで企業はより良い方向へと向かいます。

現在給与計算で時間を使ってしまっている会社は一度検討してみると良いでしょう。

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